今の一冊2012-01-09

 「茶室とインテリア」内田繁(インテリアデザイナー)著。本屋で見つけ、和と洋のタイトルが目を留めたのと、帯に「沓を脱ぐ日本人」とあったのが、見えるデザインの話だけでなく、生活慣習からのというか民俗的?視点からひも解いてありそうで、手にとりました。
 引用させていただけば、沓を脱ぐの行為は聖なる場所に踏み込むための行為、イスラムやインド、キリスト教でもあることで、日本の場合は家自体が聖なる場との意識が強いのではないかと著者は書いています。和室の真な空気や部屋ごとに位があった住居の歴史を考えると、なるほどと頷かざるをえません。
 外来の文化を受け入れながら続いてきた日本の文化ではあるものの、咀嚼しながら、また継承しながら、独自の美しさを生み出している日本文化。
  わび・さびの生まれた江戸の茶の湯の中でのデザインの話など、大変多くのヒントをもらった気がします。
 本屋を歩くのは楽しいですね。一冊の本からの出会い、世界が広がります。