白井宿を歩く ― 2012-05-18

下見に出かけた敷地の近く、白井宿というまたまた古い町並みを歩きました。

室町時代、渋川白井城の城下町とあったこの地は、上杉・武田・北条氏などの攻防戦がくりひろげられた地、
江戸時代に入って白井藩も城もなくなったものの古くから文化圏の中心として、多くの物資の経済圏を広げてきたところです。
土蔵造りの家も現在数件だけですが、水路や井戸・石仏を整備して懐かしい道々で郷土づくりをしています。

写真は、その醤油問屋を当時の街並みを維持して手入れされている建物。修理されて真新しいエントランスの白い漆喰の壁に、カワイらしい花びらの文様がちらしてあるのを見つけました。

かつて訪ねた伊豆の「長八美術館」の左官の絵画のようでした。漆喰でコテを巧みに使い、レリーフのような絵に仕上げている手仕事の芸術です。
ここでの文様はお花の型どりのピースを使ったと見受けられましたが、このように設えをつくること、とっても素敵です。
手間をかけて綺麗にしてあり、観光客を歓迎してくださる気持ちが伝わってきます。つい、お話を伺いたく、近くに施主さんか職人さんがいらっしゃらないかとみまわしたが・・・生憎・・・。
数時間でしたが、良い旅になりました。

あけびの花 ― 2012-04-22

久しぶりに春爛漫の一日、世田谷代官屋敷の敷地の中をのんびり散歩。庭園の草木、花梨のピンクの花や柘榴の木、可愛らしいうす紫のあけび、つつじや松、とてもきれいでイキイキとした緑の景色、ゆっくりした時間をすごすことができました。
明治初期の重要文化財の家屋は丁寧に手入れされていて、中に入るとその当時の生活時間が流れているよう。黒光りしたコクのある板床、巾一尺もある太い柱はやはりいい感じです。でも土間の台所から座敷を見て、夏は涼しいかもしれないが冬はそうとう寒かった。現代への変化は選択してきたものなの、仕方なかったのかもしれない。
あけびの小さな花々がいい薫りで、思わすシャッターを切りました。

敷地と日射し ― 2012-03-28

設計のご依頼を頂いて、敷地の状態を調査してきました。
一つ終わると次のお話を頂いて、感謝しつつ丁寧にお仕事を遂行させて頂くこと、気持ちを引き締めています。
屋根の葺き方を検討するためのゴク簡単な模型です。地形から建物全体への日射を検討する時、南面する屋根の向きや窓面の向き、夏、冬の日射しの方角や角度など。まわりの眺望も大切ですし、土地がらの風の向きも特徴があるかもしれません。そのような要素を早めに検討しておきます。
建主さまから沢山お話をうかがって、詳細なプランニングを経て、納得がいくまでものに纏るまで日数もかかりますが、いつまでも大切に住んでいただける、愛着を持って頂ける家ができるための、大切な過程です。。

谷中を歩く ― 2012-03-18

所属している大学OB会から、親睦会企画の依頼を受けて、「都内散歩」を企画しました。今回が2度目で、前回は月島~築地・銀座と歩きました。歩くことが副題でもあるので、今回も谷中・根津・千駄木を散歩することに。2度の下見ですっかり戦火をのがれてある町の情緒が味わえました。人気のスポット、だんだん坂や谷中商店街、谷中霊園をゆるゆる歩いて、以前気付かなかった、新しいお寺の塀が目に留まりました。築地塀などは当時の瓦や土を重ね盛っているのですが、その塀は瓦の形を生かして明らかにデザインされ、作った方の趣向が反映されている、明るい黄土色の真新しい土塀でした。その2つの塀の作風の違いに、時の移り流れていることを思いました。門をくぐると、中には「震災霊廟」と刻み込まれた石の墓標がありました。思いがけない所で手を合わせさせて頂いて、気持ちが落ち着きました。谷中霊園といい多くのお寺の謂れといい、歩きながらの色々な出会い、企画の役目もポジティブに考えるとよい機会かもしれません。

床暖房にする無垢フローリング ― 2012-02-26

できる限り、自然素材のものをお勧めしています。
床を無垢材でフローリングを張る場合は、冬に板材が収縮しますので間に隙間ができることを理解して頂いてから施工します。また膨張することも考慮して、特に部屋の周囲の壁の下部で余裕をとって貼りこみます。
床暖房するとなれば更に工夫が必要で、今回は床暖房用の、サネの部分に工夫が凝らされている杉材を使いました。大工さんには合板タイプのフローリングに比べて相当手間がかかりますが、床が仕上がった時には、誰でもその手触りと全体の雰囲気に安心感をもつようです。今監理させて頂いているのは、まだ全体の仕上がりが見られませんが、竣工の時に全体の様子が現れるのが大変楽しみです。

床暖房 ― 2012-02-17

明日も寒さ本番、そこまで来ている春の温かさが一日も早く望まれます。
冬、暖房をどう計画するか。一番汎用されているのはエアコンですが、リフォームでも新築でも、戸建の場合は条件が許すなら床暖房をお勧めすることが多いです。頭寒足熱で上体が爽やかな感覚は、床暖房ならではです。形態は温水式、電気シート式、蓄熱式がありますが、温水式が柔らかな温かさなのでお勧めです。熱源は、電気、石油、ガスとあります。今監理させて頂いている現場でも床暖房を採り入れて頂いています。ヒートポンプ式電気熱源の温水式床暖房です。今回は堀炬燵の中にも床暖房を組み込みました。温水式は、施工部材が部屋の形に割合合わせやすいので、炬燵の中にも計画通りに敷くことができました。(写真は温水パネルを施工した段階でコタツの中を上からみたものです。この上に仕上げ材が貼られます)。まだ工事途中ですが、仕上げのフローリングを貼り、リモコンを設置してテストするのが楽しみです。

木の内装にして ― 2012-02-04

昨年お仕事させて頂いたお客様から久しぶりにお電話をいただきました。完成後の写真をお送りしたことのお気遣いのお話でしたが、おたがいの近況報告をしばらく。。高層マンション住まいの全室改修工事でしたが、古民家のような内装を希望されてました。現わす木の部分はダーク系の古民家色で統一しました。結果喜んで頂いたようで、安心しています。新しいお家で快適な暮らしをされますよう祈っております。じっくり計画から一緒に造っていくのが、このお仕事の責任もあることですが、楽しくもあって、また頑張る気持ちになります。

上棟:構造材で組む ― 2012-01-29

予定どおりの好い日和、上棟です。
真壁工法で構造材の柱梁を室内に現わすためもあって、上棟から木材の扱いを慎重にしなければなりません。職人さんは丁寧に材をあげ設置していきます。
一日で屋根まで組む習わしは、雨が多い日本風土に配慮しているという昔からの習わし。おかげ様でその後も晴天が続き、一時降った淡雪にも屋根防水工事が間に合いました。

今の一冊 ― 2012-01-09

 「茶室とインテリア」内田繁(インテリアデザイナー)著。本屋で見つけ、和と洋のタイトルが目を留めたのと、帯に「沓を脱ぐ日本人」とあったのが、見えるデザインの話だけでなく、生活慣習からのというか民俗的?視点からひも解いてありそうで、手にとりました。
 引用させていただけば、沓を脱ぐの行為は聖なる場所に踏み込むための行為、イスラムやインド、キリスト教でもあることで、日本の場合は家自体が聖なる場との意識が強いのではないかと著者は書いています。和室の真な空気や部屋ごとに位があった住居の歴史を考えると、なるほどと頷かざるをえません。
 外来の文化を受け入れながら続いてきた日本の文化ではあるものの、咀嚼しながら、また継承しながら、独自の美しさを生み出している日本文化。
  わび・さびの生まれた江戸の茶の湯の中でのデザインの話など、大変多くのヒントをもらった気がします。
 本屋を歩くのは楽しいですね。一冊の本からの出会い、世界が広がります。

いよいよ始まります。 ― 2012-01-08

名付けて「丘の上に建つ家」。広い住宅団地にあり小高い丘のような位置にあります。暮れから着工が始まっていた新築工事の上棟の打ち合わせがありました。大工さんと、当日と前日からの準備の諸々の確認です。基礎の型枠を外してから、気温が低いことと、雨天を心配していましたが、幸いコンクリート養生に良い状態の日が続いたので、胸をなでおろしています。設計計画から工事着工まで震災を経て長い月日がかかりましたので、ここまでが灌漑深いものがあります。